第2遊水池 DC1レポート
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相手チーム側のレポートへ 山田竜也さん記

地球外知性”日帰り”接触シミュレーション
Day CONTACT 1 体験記

西暦2001年4月14日


デイコンタクト1(DC1)にまつわる図版・設定などの著作権は、
コンタクト・ジャパンが有します。

 2001年4月14日の土曜日、愛知県名古屋市のナディアパーク9F会議室において、スタッフ・参加者あわせて30名が出席する、出会い系ETIイベントが行われた。
 と書くとなんのことやらさっぱりわからないが、事実そうだったのだ。少なくとも、参加者の半分にとっては。

「FCS」つまり「ファーストコンタクト・シミュレーション」については、遊水池内に以前書いたものがあるので、今回は飛ばす。ETIというのはエクストラ・テレストリアル・インテリジェンス、すなわち地球外知性のことで、宇宙人、宇宙文明、異星人などの呼び方に比べて、今のところ一番適当な表現に思えるので使用。
 それにしても毎度思うが、このイベントの名称ははなはだ誤解を招きやすい。知らない人に正しく伝わっているかどうかいつも不安だ。
 UFO呼ぶの? と聞かれたらなんと答えよう。
 UFOなんかいない、という認識なのだが。少なくとも宇宙人が円盤でやってくるとは思っていない。しかし、将来の接触に備えて可能な限り現実的に思考実験をしているのもまた事実。
 ほぼ確実に会えないとわかっていて、なおかつありえないとは思っていない。宇宙人がいるんだかいないんだか自分たちでもわかっていない。というより、それはひとまずおいて、いるとしたらこうだろう、と一生懸命考えるのが目的。
 つまり、期待はあっても確証はゼロ。むしろ疑う方向から詰めている。外から見たら、あまり信念のない行為に見えるかもしれない。
 いや、それを押せばいいのか。
「信じているものを徹底的に疑ってかかるイベントだ」
 これはけっこう明確な特徴じゃないか。

 ……さて、今回のコンタクトはかなりシンプルだった。時間は午前10時から午後5時ぐらいまで。参加費もたった300円。だらだら書いても仕方ないので、ピシピシ要点を上げる。
 参加者は半分ずつにわかれて、二つの部屋に入った。白板を前に円卓を囲む。



 初期設定もごく簡単で、プリント二枚が配られただけ。一枚は上に掲げた惑星地図、もう一枚はその惑星がある星系の説明。


 惑星の数は6つ、うち第2惑星は舞台となるので、詳細情報が付く。
 恒星から1.2天文単位、直径は一万キロ、重力は0.8G、気温は平均15℃、大気は地球に似ているがややCOが多い。生命は存在するが、原住知的生命はいない。
「さて、われわれは5光年先の母星からやってきて、この星に降り立ちました」
 これだけが、与えられた情報のすべてである。
 ここから、来た理由、方法、人数、種族的特徴など、まず我々自身の姿を作り上げて行くのだ。
 私のチームは、そこから始まった。

 地図を見たところ、水が多いようだ。まず私が提案したのは、我々は海棲型生命で、移民と牧場作りのために来た、という設定。ごく穏当かつ、さかなっぽいところがちょっとキッチュでいい感じ、という狙い。
 だが、ちょっとどころではない意見の人が現われる。我々は地球人なんですよ、と来た。エジプトだかマヤだかに残る古代のロケットっぽい遺物、あんな感じの代物ではるばるやってきたのが我々だ、というのだ。
 それが岡田斗司夫氏。私は初めて会った。
 愉快な人のようだ。声も大きく、議論が活発になって面白そうだ、と私は期待した。
 他に学術調査、資源採取、あるいは事故で墜落したなど、まず穏当な意見が出る。宗教的理由、軍事拠点確保、商売、うまいもん探し、待ち合わせなどの、危ないが面白い意見も出る。
 なんとなくおもしろ系で進みそうな雲行きになる。クーリエ(前回のスーパーバイザー、相手チームとの連絡役)の山本香月さんが、要所でぴしりとタガをかけるが、ベテランの大迫公成氏が、紳士然とした外見で紳士然とした口調で紳士然とした意見とともに、吉本のようなまぜ返しをかます。スタッフの竹林ご夫妻が司会しつつノって笑う。
 宗教的理由からこの星に来た、聖なる星にお見合いに来たのだ、という辺りから、受けると知ってエンジンがかかったか、岡田さんの独壇場になる。よその星のよその環境で繁殖すると、突然変異が起こりやすくていいのではないか。体の形とか変わってもいいのだ、むしろそれが目的。他の生命を見れば播種しよう、地球人が知識交換を求めるように、我々は遺伝子交換を求めるのだ。すなわち、
 産めよ増やせよいろんな形になれよ
 多様性 命
 であると。
 何も岡田さん一人でそれら全部を言ったわけではなく、佐久間正一氏、内山直樹氏、鈴木慎一氏や私が、いろいろ好き勝手を言って葉を生やしたのだが、幹をぶちたてたのは岡田さんである。その後これが大変な木に育ってしまう。

 各自で一時間昼食をとってから、再開。どうやらこの段階ですでに、我々が妙なことをやっていると相手には悟られていたらしく、相手チームから、
「あんたらの部屋からはイヤな笑い声が聞こえる」
 と指摘されたそう。
 再開後に、基本的なことが決められる。
 我々は初めての有人飛行でここについた。人数は数百人、まだ到着したばかりである。そして目的は、遺伝資源の採取。
 遺伝資源の採取というと堅いが、要するにハネムーンだ、と岡田さんは力説する。オーストラリアで新婚旅行するノリなのだ。
 とにかくヤりたがる知性、という方向に決まってしまう。
 細かいことはよろしい、ヤってから考えるという種族設定により、性格もなんだかおおざっぱになる。

・今まで自分の惑星上で、いろんな種族と交配してきた。その子供を残すために医学、遺伝子工学は飛びぬけて進歩している。反対に機械工学はやや劣り、バイオでカバーしている点もある。
 (通訳は肩に乗せたオウムでやる、とか)
・炭素型で脊椎があり四足型をしていれば、それだけでもう繁殖対象である。多少無理でも、遺伝子工学があるから大丈夫。
・人種のモザイクである我々は、外見的相似性によってアイデンティティーを保てない。だから、アメリカがそうであるように、コミュニケーションのために言語を重視する。相手に言葉を教える技術は非常に進歩しており、そうやって教えこめる相手を知性と認める。
・五隻の船で来た。というのも、多様性があることを好むから。五隻みんな形が違うのだ。

 他に技術的設定として、五隻のうち一隻をこの星系の第六惑星に送り、燃料を補給しているとか、残り四隻で第二惑星を囲み、500名の隊員のうち50人を一次アタック隊として送りこむとか、赤道付近の河口にベースキャンプを作ってまず離昇燃料を確保するとかの事柄を決定。
 しかし、今回はそういったことの比重が妙に低い。クーリエに「周辺空域の観測はしますか?」と聞かれて、いやそんなことやらない、何しろハネムーン惑星に目が釘付けだから、と返事をするほど。
 宇宙航行レベルに達している以上、最低これぐらいやってるのでは、という常識的技術設定をたまに大迫さんが提言するが、岡田さんお構いなし。
 そして私も、ここら辺りで腹くくって、やりたがり星人として邁進し始める。決まった以上はその知性体に成りきるのがコンタクトの作法だからだ。今さら文句を言っても始まらない。

 午後二時半、設定がほぼ終わったので、いよいよ通信による接触、すなわちプレ・コンタクトが始まる。
 その前に私が提言。
「まず我々星人の名前を決めるべきではないですか」
 その瞬間「我々星人」というのが妙にウケてしまい、勢いでそのまま「ワ・レワレ人」に名前が決まってしまう。一応、知性レベルに達したものを「ワ・レワレ」と称し、それ以外を「レワレ」と呼んでいるのだ、などと理屈は作ったが、いくらなんでも。
 他に「エロエロ」だとか言語を重視するから「スピーカ」だとかの提案があり、私は「リビドリアン」「ブリード」等を考えていたのだが。まあどっちにしろ胸を張って言える名前でもない。

 プレ・コンタクト。クーリエがまず報告。
 第六惑星で燃料を採取している我々のタンカーが、第二惑星の本隊との交信中、本隊より向こうで瞬いている光を発見した、というもの。要するに、宇宙そっちのけでホテルばっかり見ている我々に異星船を発見させるための、スタッフ苦肉の策である。
 それにしても、外からやってくるとは意外だった。てっきり、もう惑星上に降りていて、星の上で相手を探すのだと思っていたのに。後からわかったことでは、これは初期設定で決まっていたらしい。我々が先着側、相手チームが遅刻側と。
 発見された光の分析の結果、それは核融合エンジンの光であることが明らかになった。それは減速中で、一ヵ月後に第二惑星に到着するという。いくらなんでも自然物体がこんな動きはしないから、人工物であるのは確かだ。そして、核融合を行う以上は知的であると推測できる。
 あれなんやろ、と我々は思う。やりたい盛りとはいえ、一応ワ・レワレ人も頭はいいのだ。探求心はある。それに、サイボーグ009の如く多様化したいろんな乗組員がいるから、探測が得意で好きな連中もいるのだ。そいつらでチームを組み、対策を考えることに。
 母星産以外の知的生命を見るのは初めてである。ぜひ会いたいではないか。まだこの段階では、相手船が有人かロボットかはわからないが、とにかく誘って損はない。そこで、第二惑星の静止軌道上で待機していた四隻の船に、エンジン光による発光信号を出させることにする。
 攻撃されるかも、という考えはない。ワ・レワレ人はその歴史上、すべての場面で、「会ったらまずヤる」を理念として生きてきた。その道を通って進化してきた知性なのである。通用しないなどとは思ってもいない。

 相手チームからの通信が入る。電波の送受信方法が同じだったのは、我々の間の交信を解析したものだろう。内容は素数列、そして周期律表と星系のドット絵。FCSにおける極めてオーソドックスな初通信だが、我々は感心したりはしない。
「つまらんこと言ってくるやっちゃなあ」
 とりあえず会いたいという返事を同じプロトコルで返す。
 続けてやって来た一連の信号は、パルス間隔や強度をなんらかの規則にのっとって変化させたものだった。地球人感覚で言うところの、「音楽」ではないか、というクーリエのアドバイスが付く。
 これを我々は、ラブソングとして受けとめることに決定。さっそく返信の曲を送る。やる気満々の大げさな交響曲である。
 同時にランデブーポイントを惑星上に指定。これも、ハネムーン前提からの結論である。我々にとって第二惑星は、伴侶と結ばれる聖なる星。ムードのあるところで会おやないか、というわけ。惑星上のベースキャンプに、派手な発光信号を出させる。ノリはラブホテルのネオンである。
(後でわかったが、相手はこの光信号の周期やパターンを、ものすごく真面目に解析していたらしい)
 最初はやや遠くにポイントを指定していた相手も、覚悟を決めたものか、近くで母船を止めて、シャトルとおぼしき小型艇を惑星に下ろした。瞬間私は叫んだものである。
「お持ち帰りー!」
 さあ、いよいよコンタクトである。

 今回は我々がホストなので、こちらの部屋に相手を迎え入れることになる。机を片付けてスペースを作り、着陸艇を待つ。
 ドアが開き、相手星人が乗りこんでくる。筆頭はのだれいこさん。林隆博氏、野尻抱介氏、林譲治氏、渡部義弥氏などの面々は、ワ・レワレ人を見てどんな反応を示すだろうか。
 相手人はぱっと見たところ、二足歩行型で、両手に妙な器物を持ち、背面にうすら長い器官を垂らしている。とりあえず我々に近しい形態であるようだ。
「こちらは身長七十センチほどで、基本形態はヒューマノイドタイプですが、全身にハリネズミのようなトゲを生やし、肩の後ろから尾を生やしています」
 相手方が説明する。
 そして我々の歓迎態勢はと言えば。
 何しろ形態に統一性のない雑種生命体である。大きさ一メートルから五メートル。それを表現する為に、二人、あるいは三人のメンバーが折り重なってくっついている。トサカだのひれだの角だのを生やし、それを服やバンダナや扇子で表している。あまつさえ、可能な限り多様な手段で相手とのコミュニケーションを図るため、手にはあらんかぎりの言語教育デバイス。
 ちんどん屋の見本市。

henshitsusya?
求愛行動をするワ・レワレ人

 この格好で相手に押し寄せて、携帯電話(音声デバイス)やノートパソコン(画像デバイス)を振りまわし、器官を誇示してディスプレイを行い、「ワ・レワレ」「ワ・レワレ」と叫び、あまつさえなれなれしく肩に手を回し、隙あらば物陰につれこもうとしたのだから、さあたまらない。
 逃げるわ叫ぶわ。特に背の尻尾は弱点であるらしく、そこを触れられた個体の中には泣き出すものも出る始末。
 大騒ぎのうちに、とりあえず第一次接触は終了。相手人は着陸艇に引き返した。

奇妙な器物を打ち鳴らす相手人


 我々は協議に入った。
 どうも、今のは嫌われたらしい。知的生命が、交配行動もしないうちから相手を嫌うというのは、我々にとって理解しがたいが、そういえば我々だって、進化の過程でそのようなことを経験したこともあった。
 ならば、ひとまず交配は手控えるとして、迂遠だが言語コミュニケーションを確立するべきか。幸いさきほどの接触で、こちらの音声アピールに対する返答があった。(小川の携帯電話と同じ着メロが返ってきたのだ)音声が通じるようだ。
 次は、会談場所の野ッぱらにぽつんと音声教育機械を置いて、遠巻きにして待つ、という線に落ちつく。
 だが、交渉がもの別れになったらどうするか。一体さらったらどうだ、という過激な意見も出る。代わりにこっちの個体を三匹ぐらい提供すればいいだろう。向こう有利なレートなんだから文句も出るまい。
 相手が大気圏から逃げたらどうしますという山本クーリエの質問に、母船でおっかけてぶつける、という案が出かける。が、それはさすがにワ・レワレ人のメンタリティーに合わない行動なので、却下。叫びながら追いかける、ぐらいにしておく。
 ところが、第二回の接触が始まらない。聞いてみると、相手人は着陸船の中に引きこもって、出てこないらしい。
 仕方がないので電波通信を行うという設定で、もう一度対面コンタクトを行う。
 今度は椅子を出して、再び全員がこちらの部屋に。
 スタッフ判断により、言葉は通じることになる。

 口火を切ったのは相手側。
「あなた方はどこから来ましたか。何者ですか」
 返事はもちろん、
「遺伝子の採集です。私たちは「ワ・レワレ」です」
 である。
 それから、もっぱらこちらから相手に向けて、いかにしたら遺伝子をくれるか、という質問攻めが続く。
 相手は遺伝子の提供には同意するが、接触による直接交配は承認しない。
 同じ炭素型・脊椎動物とはいえ、遺伝子があまりに違いすぎる。交配は無理ではないか、とも言ってくる。いや遺伝子工学があるから大丈夫だ、と我々は言い張る。
「できるものなら将来的には、炭素型でない、脊椎でない、完全に異種の生命とさえ、我々は交配したいと考えています。遺伝子をデコードしてこちらのものに特質を組み込んで」
 とかなんとか無茶まで言う。このひとことは小川独断だが、ワ・レワレ人の精神はそこまで求めているはずである。
 また、相手が全員、ほとんど同じ形をしているのも不思議だ。我々の基準からすれば、多様化していない生命体が知性を持つまで発展するなんて信じられない。あなたがたはひょっとしてペットで、母船に知性体がいるのか? という質問を行い、それは違う、我々自身が知性体だ、という返答を聞いて、おおっと驚いたりする。
 あまりのことに野尻さんに、「そりゃ多様性の履き違えでしょう、繁殖できないから異種と言うんであって」と突っ込まれる。
 それでも我々はごり押しする。相手の文化とか名前なんて聞きゃしない。もう、やりたい盛りの高校生である。
 さすがに途中でこちらの竹林さんが、旅の目的を聞いた。答えは移住。先着権のあるこちらに対し、ドーム都市を作り、長期的に大気改造を行ってもいいかと聞いてくる。
 こっちは遺伝子さえもらえば別に構わない。ただ、原住生物の遺伝子をまだ集めていない。それが終わった後なら、と承諾の返事を。相手も、ベッドインはしないが遺伝子を提供するだけなら、という条件で同意する。
 その辺で時間終了。一応、コンタクトは成立、ということになったのだが……


 その後は種明かしの時間である。 
 まずワ・レワレ人から説明。説明者は岡田さんで、ここぞとばかりにレッドゾーン。横から私も補足を入れる。予想通りと言うか、相手からはため息が漏れ聞こえた。
 続いて相手側発表。向こうは「ヒュンヒュン」人という名前だった。
 クモザルから進化した生物で、閉ざされた狭い空間に住んでいる。今回やってきたメンバーは千人、構成は全員科学者で、なんと母星からの逃亡者だという。穴居生物のヒュンヒュン人の中で、彼らだけが宇宙へ憧れた。だが、周りの連中には聞いてもらえない。仕方ないので自分たちで船を作って、長いコールドスリープの旅に出たのである。
 なんでその千人だけが宇宙に出たがったか? それに答えて林隆博さんいわく、
「SFでも読んでたんじゃないですか」
 彼らが打ち鳴らしていたものは楽器の一種で、プレ・コンタクトに音楽を送ってきたことからもわかるように、発音機械をよく操る種族だった。発声器官がないのである。なんでも森の中で器物を打ち鳴らして交信しているうちに、音声機械を操る能力を身につけたらしい。
 そして、極めて貞淑な生物だった。身体的接触はタブーとされており、家族内でしか触れ合わない。特にしっぽは配偶者しか触れてはいけないんだそうである。彼らは科学者であり、たいていのことには冷静に対処できるが、それでも我々のベタベタな親愛表現(というかほとんど痴漢行為だったが)には、耐えられなかったらしい。そんな繊細な彼らの気持ちなどつゆ知らず、我々は「家族ってなんですか?」などと聞く始末。
 他にも、細かい設定があったらしいが、コンタクトのときにはろくに披露できなかったようだった。
 悲壮な決意を固めた脱出者と、お気楽なラブハンター、私たちはほとんど正反対の知性体だったのである。思えば不幸な接触だった。

 全体として、まあ楽しいイベントだったが、科学の香りにはやや欠けたか。特に、やりたいパワーで種族の差をも強引に越えた、という設定が無理にすぎた。遺伝子に詳しいのださんいわく、ワープ並みの反則技だったそうである。ここにもうちょっと説得力があれば、申し分なかっただろう。
「信念が効率を黙殺する」
 という、短期コンタクトにありがちな問題が、今回再び発生したといえる。よその星まで行くような能力の高い知性は、もうちょっと合理的に動くものだ。役になりきるあまり、普遍的な常識まで忘れ果ててしまった。私のことだが。

 さて、次回以降の希望。
 今回は時間の都合で、プレ・コンタクトで重要になる、宇宙航行や交信にまつわる技術的な検討をすっ飛ばしてしまった。世界構築や対面コンタクトも大事だが、ここを押さえないと絵に画いた餅の雰囲気が高くなってしまう。
 一日のイベントであれもこれもと欲張るのは無理だろうから、今回は世界構築と対面が重視されたものと割りきるとして、別の機会に、技術面に焦点を当てたコンタクトを行ってほしい。ぜひ参加したい。

 蛇足ながら思いつきを一つ。
 今回の暴走は、チームの中で男性比率が高かったから起こったようにも思える。
 それを逆手にとって、男チーム対女チームのコンタクトをやったらどうか。もちろんそれだけでは本物の出会い系イベントになってしまうから、ちょっとひねって、男性は雌性知性体、女性は雄性知性体を装うのだ。
 双方の抱く幻想のすれ違いが面白そうではないか。
 あ、すれ違ったらいけないのか。

(西暦2001年4月16日 記)


 メモは取りましたが、記憶で書いているところもあります。間違い等あればメールしてください。


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