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二日目 単線「ぶらり韓国下車の旅」 2009年11月3日 中編

韓国の田舎を車窓から見ていて、いくつかの点に興味を引かれました。



--1.韓国の住宅の変遷--

韓国のふるい民家は漆喰か石かブロックの高い塀を持っている。
深い軒と合わせて外からの視線を完全に遮断しており、風通しは考えられていない。
冬の寒さが厳しい地方だからだろう。夏は暑くないのかもしれない。



木造家屋が少ない。ないこともないが、日本人が「そこは木だろう」と言いたくなるところで石やコンクリートを使っている。周囲の山に松ばかり生えているためか。用材が少ない、あるいは植林が行われなかったためか。



また、農村では壊れた家をしばしば見かけた。屋根と壁が崩れてぽっかりと穴が開いた、窓ガラスのない家がしばしばある。
なぜだろうか。木の家より解体費用が高価なので放置しているのだろうか。



上の三枚よりも、少し新しいと思われる家屋。
不思議な屋根をしている。屋根瓦が溶けているように見える。 あるいは、モルタルを塗って着色しているのか、それとも屋根自体をモルタルで作って整形したのか。



これも。


これも。


これもそう。
全般に韓国の建築は、表面処理が甘い。
コンクリの型枠が粗いというか、左官屋の仕事が雑であるように見えた。



ブロック塀の直線が出ていない。


ここからは色彩感覚の違いについて。 薄緑の建物。



明るい水色の屋根。


真っ黒な家。


これも。


これも。


塀に囲まれた家。


薄緑の家。
全般に青と緑が好まれるらしく、あちこち意外なところで使われていた。
反対に、赤い屋根は少なかったように思われる。

ところで、こういった古い家屋はよく見かけたものの、逆に新しい一軒屋はほとんど見なかった。
代わりに全国どこでも大量に見かけたのが、例の背の高いのっぽビルの群れだった。
韓国では一軒家を捨てて都市近郊のアパートに移るのが大ブームになっているらしい。
田舎に壊れた家が放置されているのも、そうやって住人が出て行った名残なのかもしれない。



マンション。


マンション。


これもマンション。


これもマンション。


マンション。


そしてマンション。


さらにマンション。


またマンション。
ベランダがないか、サッシ窓で閉鎖できる形になっており、階段まで防風され、柱が細くて、階数が高い。
そのため日本のマンションに比べて建物がたいらで、華奢でぺらぺらしているように見える。
冬寒くて、地震が少ない国土であるためだろう。
屋上には排気口が目立つ。各個を床暖房するスチームの排気口だと思う。



そうしたマンションを国中で作っているのがこいつ。
だから逆に、ハンマーヘッドを見かけたら、ああここでもマンションを作るんだ、と見当がつく。



これは、珍しい「二階建て一軒家」の例。


--2.韓国の教会--


韓国では新しい町に入ると、必ず新しいマンションと新しい教会を見つけた。
逆に、教会が見えたことで、ああ次の町に行ったのか、と察せられるぐらいだった。



教会。


教会。


教会(左奥)。


教会。


そして教会。
意外にキリスト教色が濃いのかもしれない。


--3.韓国の墓地--


韓国は土葬らしい。丘の南面にこのような土盛りをよく見かけた。
これはソウル近郊の山で、やはり土地がないのか、混雑している。



こちらは南東部の山地。



大きな石の置かれたちょっと立派な墓。


これは遺跡クラスか。


これも。


しかし、まったくなんということもないただの松林の中に、ポコンと置かれている小さな墓も多かった。
雨の少ない国だからできることだなあ。



しかし、いくら雨が少なくたって、長年月のうちには流れてしまう気がする。
墓を盛りなおす行事あるいは役職があるのかもしれない。墓守ならぬ墓盛。



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