韓国旅行/事前準備
韓国旅行をした。理由は韓国についてよく知らなかったからである。よく知らなかったので、小川は嫌韓でも親韓でもない。もっとも近い隣国について、そうも無定見なのはどうなのかと、前から自分でも思っていた。
円高や仕事のタイミングなどもあり、このたび行ってきた。
旅行の前にはまず準備がいる。
ネットで調べると韓国旅行は最安でソウル往復20000円台からある。あまり安いのはホテルがセットだったり朝晩の不便な便だったりする。朝出て夜帰る、ちょうどよい便を予約したら、往復35000円になった。
飛行機は一ヵ月も前に予約したが、ホテルは最後まで悩んだ。というのもどの街へ行きたいかわからなかったからである。地球の歩き方を買ってきて読んだが、グルメとショッピングとファッションとレジャー、それに歴史遺物についての記述はあるが、韓国の実情についての記事は乏しい。
いくつか書籍を買ってきた。しかしそれらは、李朝時代の朝鮮か、日帝占領時代の朝鮮か、でなければ韓国の鉄道について鉄道ファンの視点から書かれたものであって、やはり今の韓国の実情を記したものではなかった。その点では、とにもかくにもたくさん情報を詰めこんである地球の歩き方のほうがよほどましなぐらいだった。
ソウル入出国であり、国土を広く見たいという観点から、三泊のうち初日は南のはしのプサン泊、三日目は翌日に備えてソウル泊ということにして、旅行の三日前に予約した。しかし中一日をどうするかが決まらない。
これは実際に釜山のホテルを出る瞬間まで迷ってしまい、結局そのとき決めた。
持ち物の用意がいる。
パスポートは06年にイギリスへ行った時のものが残っていた。
そのときはバックパックとトランクを持参した。そのときは一ヵ所で三泊した。今回は三泊とも宿を変える。大きなトランクをごろごろ引きずって行きたくはない。
ある程度荷物を減らしてすべて背負って歩くという方針で、適当なバックパックを探した。9000円ばかりの、タロン22というものにした。
その他に腕時計、電子辞書、携帯ナビ、一眼レフデジカメ、ノートパソコン、メモ帳、リップクリーム、方位磁針、iPodShuffleなどを揃え、スニーカーと帽子を用意した。役に立ったものもあったし、そうでないものもあった。
携帯電話は使わないことにした。
韓国鉄道KRでは外国人向けにKRパスという券を出している。割安な料金で数日間、韓国新幹線を含む鉄道を乗り放題にできる券である(地下鉄を除く)。買うには予約が必要だったので、ネットで予約した。
言葉の問題があった。韓国語はひとことも知らない。こんにちはの意味のアニョハセヨと、ありがとうの意味のカムサハムニダを覚え、あと数言を紙にメモした。
この二つだけではだいぶ用が足りなかったが、残りは英語でなんとかなった。
前日に服装を選んだ。天気予報はソウルの気温が摂氏2度になると言っていた。そのときこちらの室内は23度だった。一気に20度も下がられたらどうしていいのか。
できる限り対応しようと、ダウンジャケットを着て行くことにした。これは過剰だったが、過少よりはずっとましだったのだと思いたい。
他に下着を日数分用意した。
旅行中の時間潰しに本を持っていく。イギリス旅行ではレンガのように重いシモンズの「イリアム」とストロスの「シンギュラリティ」を持っていった。今回はなににしよう。
重いのと軽いのハイ・ロー・ミックスということで、100年前の英国女流旅行家イザベラ・バードの「朝鮮紀行」と、逢空万太の「這いよれ! ニャル子さん」を選んだ。
地図、チケットのバウチャー(引換券)、簡単な単語表などをプリントアウトした。
10月31日に仕事をすべてやり終え、パスポートと現金5万円を持って、11月2日の早朝に家を出た。
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