第3遊水池 種子島大戦略2001 [旅程編]
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種子島大戦略2001
[旅程編]
2001年9月記

こんな車で東京から来た勇者も

 本編では、本土から種子島まで、また島内での交通を記す。
 種子島は九州大隅半島の南50キロにある。距離的にはたいしたことはないが、実際に行こうとするとすこぶる遠い。小川の住む愛知県からだと、片道だけでも、速度優先ルートでは25000円以上、低額ルートでは2日がかかる。
 様々なルートがあるが、区間ごとにわけて書いてみたい。

鹿児島まで
 自動車、列車、空路、フェリーの四つの方法があり、それぞれ一長一短がある。
 自動車の一番のメリットは、種子島入りした後の足を用意できることである。島内は南北50キロあり、島の玄関である西之表港とTNSC(種子島スペースセンター)はほぼその両端に位置する。タクシーで移動すると8000円余りかかるし、バスでの移動は大幅に拘束されるので、延期の可能性のある打ち上げをを見るためには不向き。
 また、複数乗車で割り勘にすれば、鹿児島までの時点では比較的安いことが上げられる。東京から1400キロ、名古屋からでも1000キロ。高速道路料金は30000円ないし20000円、燃料費は10000円ほどになるが、四人乗車なら一人10000円でたどり着ける。
 この場合、ノンストップで運転するためにドライバー複数、できれば3人以上を用意するのが好ましい。少ない場合休憩か宿泊が必要になり、その分の費用がかかり、車のメリットが減殺される。
 デメリットはフェリー費用と、運転の苦労である。12時間座りつづける覚悟を。
 小川は今回この方法。

 その他の方法は単独行向き。列車に付いては、夏季は青春18切符が使える。寝台車を使うのもいいだろう。時刻表が本屋で500円で売っているので、参照のこと。ただし遅い。
 空路は鹿児島までは様々な路線があるし、東京、大阪伊丹、福岡からは種子島の中種子空港へ直行便が出ている。JAS航空料金表を参照。東京からでも伊丹経由で半日ほどで到着できる。ただしこの場合は25000円以上の料金がかかるし、打ち上げのあるときはたいてい満席になっているので、予約が必要。
 また、上記二つの方法は、島内でレンタカーを借りることを前提にするべきである。これも予約したほうがいい。

 最後のフェリーだが、これも本州各地から九州南部へのものが、いくつかある。
   注意点だが、直接鹿児島入りするものがない。並べてみると、マリンエキスプレスの川崎−宮崎航路、川崎−神戸−日向航路、それにブルーハイウェイラインの大阪−志布志航路がある。いずれも鹿児島までもうひとっ走り必要である。
 また、大阪−志布志航路のブルーハイウェイラインだが、その会社のサイトを検索すると別航路のページに飛んでしまう。SAC内で乗った人がいるから運行しているのは確かだが、現状どうなっているか詳しくはわからない。

 この航路だが、志布志は内之浦の、宇宙科学研究所・鹿児島スペースセンターに近いので、そちらを訪れるときに使えるのではないか。


鹿児島−種子島間
 海路と空路がある。例外として、以前漁船をチャーターした猛者がいたようだが、一般の人には不可能だろう。
 海路は三つ。ジェットフォイル、旅客フェリー、そして貨物フェリーだ。
 ジェットフォイルとは、鹿児島商船の船「トッピー」のことである。一日4往復している。片道6000円で一時間半。帰りに乗ってみたところ、海象のせいもあるだろうが、時速80キロで突っ走ってもほとんど揺れず、なかなか快適だった。一度乗ってみるのもいいかも。ただし車は積めない。サーフボードも積めないそうである。
 余談だが、ジェットフォイル=水中翼船だと思っていたら、勘違いだった。水中翼船はハイドロフォイルというのである。ジェットフォイルとはウォータージェットで進む水中翼船のことで、もともとボーイングのつけた名前だった。日本では川崎重工がライセンス生産しているものを差す。

「トッピー」 247人乗り 3800hpガスタービン双発


 旅客フェリーは九州商船の「フェリー出島」と、鹿児島商船の「第二屋久島丸」が運行している。車を積むとそれなりに料金がかかるが、人間だけならザコ寝の2等で2540円。一番のおすすめである。
 ただし4時間かかる。また、第二屋久島丸のほうは偶数日しか出ないし、フェリー出島は朝8時半に出る。ちょっと使いにくいところがあるので、気をつけること。
「フェリー出島」 1500トン 17ノット

 
 そして最後の貨物フェリー。これは裏技に近い。
 たとえば共同フェリーが、「新種子島丸」を出している。他にもあるらしい。この船は旅客フェリーよりも速いくせして、料金は1万円なにがしである。
 ではどこが裏技かと言えば、人が乗れないこと。貨物船なのでドライバーしか乗れない。複数乗車の車で来ても、ドライバー以外は他の船で行くことになる。だからバイク向けに近い。
 乗り場はフェリー埠頭から少し離れた新港。日曜日は運休。
「新種子島丸」 1000トン

 
 次に空路だが、鹿児島空港から中種子空港へは、JASが片道9410円でプロペラ機を飛ばしている。機体が珍しい。SAAB340とYS−11である。
 そのYSも、ぼちぼちカナダ・ボンバルディアのDASH8に世代交代するらしいので、見るなら今のうち。
 余談だが、私は中種子空港でYS−11のタッチアンドゴーという珍しい光景をビデオカメラのファインダー越しに見たのだが、録画ボタンを押し忘れていて撮り逃した。痛恨である。

 以上が種子島入りの方法。
 今調べていて気付いたが、こういう親切なページがあった。そっちもどうぞ。

島内での移動
 まずは種子島の地図から。

 見ての通り種子島は南北に長い。鉄道や高速道路はない。
 船で島に入った場合は北の西之表、飛行機の場合は中央の中種子に到着する。どちらにしろ南端のTNSCまでは数十キロあり、徒歩では少々きつい。
 車さえあれば問題ない。道路状態はよく、交通量も少ないので、西之表からTNSCまで一時間ほどである。
 ただし、現地の人の車はまじめに制限速度を守って走るので、内地と同じつもりで飛ばすと事故を起こす。こちらは闖入者なのだから、追突等しないよう遠慮して走るべきである。
 実際に走ったところでは、地図の赤い線の国道58号がよく整備されていてもっとも使える。西之表から南へ下って島の中央を通る道は、交通量は少ないものの、建造途中のところがあり、またタネガシマミチモドキが多数出没するので、方向音痴の人はぜひ迷い込んでみるべきである。
 南種子町まで来れば、TNSCまでロケットも通った立派な道があるので、迷うことはない。

 ここを見ると、バスの時刻表がある。また、バイクのレンタルもあるらしい。参考に。

 宿が多いのは西之表だが、打ち上げが延期されるたびに往復80キロ移動するのはつらい。TNSCに近い南種子周辺に投宿するのがいい。ここにたくさん載っている。
 たいていの宿が5000〜8000円ほどで、安い。逆に豪華なホテルを希望する人は、宿を見つけにくいかもしれない。打ち上げ前は高校野球の時の甲子園周辺の如く、どこも満員になる。要予約。
 キャンプ場はここに載っているが、雨の時の覚悟が必要。

島から出る
 来る時使ったルートと、もう一つ、隣の屋久島を経由して帰るルートがある。屋久島へは、西之表からと、南種子町北西の島間港から船が出ている。私は行けなかったが、帰りに種子島西岸から、雲に覆われた青い島影を見ることができた。
かすかに見える屋久島。常に雲をまとい、雨が多い。

   有名な縄文杉にくわえ、亜熱帯植物から高山植物まで一度に見られる珍しい島なので、時間があればどうぞ。

 以上、旅程編。


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