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小川遊水池管理事務所


[10:19 2004/11/29 月]
・備えあればうれしいな(岸和田博士)
 
 今年の二月ごろ復活の地の執筆準備を始めると同時に、自宅の災害対策の薄さが怖くなって、非常用品をごっそり買いこんで、スーパーの店員に妙な目で見られたことがありました。
 写真はその中の食料品だけを写したもの。「一年はもたない」とぼんやり覚えていたので、今日、そろそろ潮時と判断して消費期限を確かめてみたんです。
 そうしたら、やってよかった早目の点検。

 早めどころか遅かったぐらい。
 左半分はすでに期限が切れたものか、12月までに切れるもの。来年まで使えるのは右半分だけです。
 細かく見ていくと、お菓子系は全滅。いや、お菓子多いって言うな。うちは子供がいるし、大変な時こそ甘いものを楽しみにしようとしたのだ。ともかく、チョコもアメもゼリー食もだめ。9ヵ月ないし12ヵ月が期限のようです。粉スープとミネラルウォーターも来月切れます。
 レトルトおかゆ系はもっと情けなくて、8月で切れてました。これは廃棄だな。
 曲者がうずら卵缶詰で、4月に切れてました。3ヵ月だったらしい。

 右側主力は緑の袋のアルファ米部隊で、期限は5年。レトルトカレー類は意外な健闘で2年。他の缶詰も頼もしく、2年から3年もつようでした。
 しかし、手前に置いてある生米が問題。古米や古古米なんてものがあるぐらいなので、米って結構もつのだろうとなんとなく思っていたんですが、米屋のサイトを見たところ、実は一ヵ月ももたないという注意が。
 しかし2ちゃんねるでは「生米は腐らない」と喝破されてるんですよね。
 よろしい、それではこの9ヵ月もので人体実験してみよう。

 以上、当家の物置からでした。
 ちなみにカンパンがないのは味が好みでないから。でもまあ、一応買ってくるか……。

(13:36 2004/11/29 追記)
 
 9ヵ月米・水研ぎなし・カセットコンロで手ナベ炊き、という災害時と同じ条件下でも、そこそこおいしく炊けました。


[12:28 2004/11/24 水]
・コミケ情報

 12月30日 木曜日 西地区 “や”ブロック 17a  だそうです。
 当日の行動予定はまだ立てていません。


[11:35 2004/11/21 日]
・ハウルの動く城 ※ネタばらし注意

 見てきました。
 小学生の時にナウシカ・ラピュタの直撃を食らって飛行フリークになった私にとって、宮崎アニメは必見です。

 見終わった直後の状態――椅子からずり落ち。

 漫画版のナウシカと宮崎駿の雑想ノートを見ていない人いますか。いたらまず見てください。話はそれからだ。
 あの二つを知っている人なら、「おお、また来た」とわかってもらえるでしょう。私はその二つに、宮崎氏の持ちネタがほとんどすべて入っていたと思っているんですが、今回のハウルもそれのモザイクでした。あまりよくない意味で。
 たくさんある宮崎要素の多くを一作品に詰めこみすぎて、統一が壊れている。
 たとえばトルメキア軍艦や土鬼のバイオテクノロジーなどに表れている「武骨で奇怪な人工物好き」と、主人公ナウシカの体現する「素朴な反戦主義・自然礼讃主義」という相反する二要素。
 ナウシカでは、人工物をほぼ敵側に、反戦主義をナウシカ側にと揃えたおかげで話がすっきりしましたし、もう一歩踏み込んで、ナウシカにも技術文明の申し子としての闇があることを書き、重層的な構造を完成させました。このあたりはよかった。
 しかし、両者を操る氏の心中には、どちらに対しても好意があり、それが屈託になっているようでした。もののけ姫ではっきり現れましたが、技術文明で人類を発展させるのか、文明拡大を手控えて自然回帰するのか、はっきりしない。エボシもアシタカもサンも、「相手のことを思いやって譲り合いながら生きよう」で終わっている。氏自身が納得できている結論とは思えない。譲り合いが難しいから現代社会はこんなにごちゃごちゃしてるんですから。
 その対立要素がハウルではまたしても登場し――またしても解決に至らず、デウスエクスマキナによる幕引きとなっていました。
 それに加えて、「魔法(ナウシカの森の人で登場)」「少女の成長(カリオストロ以来常用)」「飛行好き(言わずもがな)」「城好き(カリオストロ城、風の谷の城、ラピュタ、塚森、海に浮かぶ町、タタラ場、湯屋)」「異世界の日常の描写」などの要素が、セーブなしで投入されている。おかげで要素同士が自己主張しすぎて、ストーリーとキャラの心理がズタズタになってしまっていました……。

 他のいくつかの作品にもまして、氏の作品は私の考え方にも影響を及ぼしていて、今回もいろいろ考えさせられました。まず上に書いた文明対自然の構図。氏はこれを相容れないものと考えているようですが、今まで私は、科学の進歩に自然保護も包含されると思っていました。少し違う言い方をすると、「十分に洗練された科学なら自然保護ぐらいやってのけるだろう(それができないような科学はまだ発達が足りない)」と。それで、氏はSF原理主義者じゃないから、そこまで科学を信じられないのだろう、と。
 でもハウルを見たら少し変わりました。宮崎氏ほどの人がこんなに長い間、こんなにたくさん作品を作ったのに、まだ科学・技術を嫌っている。私が科学を信じているのは単に若くてものを知らないからで、歳を取って視野が広がれば、やっぱり科学に絶望を抱いてしまうのかもしれない、と。
 でもそれは楽しい予想じゃないな。
 どちらの認識もひっくり返してしまうほど、科学が理性的かつ全分野的に進歩してほしい、という願いが、今の私の抱く思いになりました。

 考察はこれぐらいにして、快楽中枢を刺激された部分を並べてみます。
 やっぱり飛行物体。それも物体単体ではなくて、見せ方。漫画版ナウシカがオーバーラップするシーンがたくさんありました。空爆する戦艦の遠景とか、遠くの谷を飛んでいる戦艦の姿とか、いきなり頭上を越えていく戦艦の見上げアングルとか。なんとなくロングが多かったような気がしませんか。遠景の一部に点のような飛行物があり、次のカットでアップになってディテールが見せ付けられる――こういうやり方、本当に背筋に来ます。
 次いで町並み。チームを組んで資料を十分にそろえてやってるからできることなんでしょうが、建物の描きこみが本当に濃い。あんな風に生きている町並みを私も描きたい。
 仕草。膝を折って礼をするソフィーや王宮の階段上で待っていた儀典官。卵を割るハウルの滑らかな手つき。使い魔を壷に呼び戻す、魔女の手慣れた杖使い。床を叩くサリマンのきっぱりした動作(ジブリは「タメて放つ」動きに命をかけてると思う)。ドイツ軍風に行進する兵士たちのリズム。水道から飛び出す水とお湯!(何がどういいのかわからなかったけれど、あのカットには生命を感じた)。90歳ソフィーのうろたえっぷり。
 美形たち。――ナウシカ登場のセルムから、氏の作品にはぽつりぽつりと美形男性が出てくるんですが、前作のハクと今回のハウルでかなり前面に出てきた。王宮にも侍童が出てきたけれど、氏にとって男が美形であるということはどういう意味なんだろう? (豚をヒーローにした人なのに) ちょっとこれは想像が及ばない。
 老女もこの美形の範疇に入り、年配バージョンのソフィーをあてはめたいんですが、ソフィーは主役だけに、ストーリーが壊れちゃっていることに影響を受けて魅力が出きっていない。これは残念。(ハウル原作ではソフィーのふらつきぶりもいくらか説明されるらしいんですが、まだ未読……)
 自然の景観。でもこれはもののけ姫と千尋で十分味わわされたので、今回のインパクトはそれほどでも。しかし水面は、今作でほとんど天然のそれに比肩したような気がします。
 戦争と戦闘の美しさもあったけど、これは他のアニメでも味わえるし、今作中でもあまり重視されていなかったので除外。

 そんなところかな。
 初日にお金払ってみた甲斐はありました。DVDも出たら買います。


[20:04 2004/11/15 月]
・遅れて来たライダー 1

 フォーサイトが届きました。


 250cc4スト単気筒21馬力。たいしたスペックじゃありませんが、前に乗ってたのが100ccで9馬力のスズキ・アドレスだったので、ずいぶん余裕を感じます。(ただしアドレスは2ストだったので、鬼のようなダッシュ力がありましたが……)
 慣熟訓練にちょろっと走ってこようかと町へ出たところ、最初の10キロは大柄な車格が怖くてふらふらでした。が、慣れてくるとおもしろいおもしろい。ビッグスクーターの中ではいちばん取り回しやすい、という評判どおり、ハイウェイからそま道まで自在に走破できました。
 気がつけば、今日一日の走行距離、120キロ。雨だったのに。

 巨大なウインドシールドが最高です。ジャケットの前を開けてても寒くない。
 ただ一点、水温が妙に上がりやすいのが気になりましたが、今のところはお気に入り。
 ちなみに私のバイク歴は、ジョグ・アプリオ(50cc)→VT250FG(250cc)→ミント(50cc)→アドレスV100(100cc)というもの。まともなバイク乗りの経歴じゃありません(笑)
 30歳も間近になって再びライダーを目指す私の明日はどっちだ。


[23:05 2004/11/14 日]
・病は出ず/病膏肓

 先ほど帰着。スタッフ車に便乗させてもらいました。ありがとうございます。
 幸運にも体調は持ちこたえました。マスクして行ったので他の人にもうつさなかったはず……これは祈るしかないけど。どうか誰にもうつしていませんように。

 イベント自体は快調でした。まず、コンタクト・ジャパンをご存じない方は、ここをご覧下さい。  今回は6チームが異星人を作って互いにコンタクト。私の参加した十人ほどのチームはみんな手慣れていて、異星人構築がさくさく進む進む。――快調すぎなぐらい。
 こう、どんな異星人を作れば面白いか、他の人がどんな異星人を作ってくるかがある程度読めてしまって、進行にバイアスをかけてしまった嫌いがあります。うちだけでなく、多分よそもそう。やむをえないんですが、まったく手探りで試行錯誤していた頃のドキドキ感はいくぶん減少。
 作った異星人の運用も、よかれあしかれ洗練されてしまった。以前はその異星人の本能的行動を派手に前面に押し出していたけど、今回は「知性があるのだから、本能はいくぶん抑えるだろう」と想定して、穏健に行動しました。後になってから、「知性化の方向自体が本能で歪曲されるはずだよな」と個人的に反省。

 6チームの異星人すべてを見渡したときに思いました。すべての異星人の行動思考パターンが、地球人類(参加者自身)の思考の変形・一部欠損・一部強調などの枠内に収まっている。本質的に避けられないことなんだけど、出てくる宇宙人はいずれも、どこか滑稽に見える。前の晩、参加者の一人に「CJはコンタクト不可能な知的異星人の存在を前提としていないから甘い」と指摘されたことが、少々実感できました。

 それはつまり、構築された異星人が、矛盾のない完璧な体系を備えていなかったということ。これは時間制限の点から仕方がない。
 では、完璧な異星人ができるまで時間をかければ、こういうもどかしさは感じないようになるのか? 理屈では「なる」んでしょうが、どちらかといえばそれは構築そのものを目的とする場合にやるべきで、参加者がそれを演じてコンタクトを体験する、という目的に充てるには、オーバースペックかつ操作不能、なのかもしれない……いかん、ループになった。
 CJ参加が二回目になったことで何を学べたのか、わかるにはもう少しかかりそう。(今へろへろです)


[14:09 2004/11/12 金]
・病に非ず

 本日、自分自身は準健康体という感じ。
 感染の心配も、医者に言わせれば気にするほどのことじゃないそうなので、今日の夜から出かけてきます。


[14:23 2004/11/11 木]
・風邪に非ず

 医者に行ったら溶連菌感染症と診断されました。いわゆる猩紅熱。

 ひとまず12日は涙を呑んでキャンセル。
 抗生剤服用開始から24時間後に体調がよければ、登校可能、だそうだけれど……これ、CJ出たら他人に移すよなあ。
 13日も出ないほうがよさそう。むー、困った。


[17:40 2004/11/10 水]
・風邪を引く

 風邪、だと思う。扁桃腺が腫れて熱が出て関節が痛いので。
 わからないのは、今回、兆候が全くなかったこと。昨日の15時ごろ喉の痛みを自覚するまで、睡眠も足りてて健康だったはずなのに……。
 金曜日から、コンタクト・ジャパン6に参加するので、静養して治さねば。これ、もっと早く告知してお客さんを集めるべきだったかな。

 進行中の仕事は、小説同人プログレッシブのSF。先週原稿を上げて修正中。冬コミ参加します。作品出して本人もブースに詰める予定。(初コミケだ)
 それと、初めての出版社で出す本を一冊書いてます。(15:33 2004/11/18訂正・まだ社名出してはいけませんでした。以前ここで見た方、発表があるまでご内密に)
 

[2:14 2004/11/07 日]
・万物理論

 読了。
 イーガンの話を読むと頼もしさと焦りを同時に覚えますね。
「SFはここまで行けるんだ!」
「なのに俺こんなとこでうろちょろしてたらあかんやん」

 小松左京と同じぐらいの影響を受けつつあるんですが、時代の最先端にいる点でイーガンのほうが怖い。とりあえず現在の世界最高レベルがわかるのはありがたい。この辺見てればいいのか。


[23:03 2004/10/31 日]
・七都市物語

 今月やっていた徳間の中編というのは、七都市物語オムニバスでした。田中芳樹さんのあの話の世界をぽんともらって、各作家が好き勝手を書く。私の他に4人ほど。
 枚数はそれほどでもなかったんですが、てこずりました。何しろ本編キャラを出してしまったので。迂闊な言動を取らせれば田中ファンには刺されるだろうし、田中さんご本人に申し訳ない。他人の船の船長になったようなもの。(精神的に)襟を正して書きましたよ。
 出版は来年になるらしいです。

 いまはまだ――あと40分ほどは――十月なんですが、めんどくさいのでこの記事は11月分に編入。ページ割付がえらく飛んでますが、これはもうしょうがないと割り切った。